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寝る前に聴いてた歌手や
待ち合わせの時間が住んだ
寒空を覗く窓が
あるだけの六畳を描いた
ミルクパズルのように
♪
ハイライトの無い目で歩く
サラリーマンと地下鉄の刑
席で咳をするのは散歩のご老人
コントロールをされてるのか
コントロールが出来ないのか
気付かないように耳を塞ぐ音楽
白い息が綺麗なのは
寒い夜の償いだろうか
時計を円で表したのは
皮肉だろうか
憧れも 悔しさも 夢も
諦めて人間になった
雪なんて降らなくても
もうここは固形の海だ
駅前の商店街は寂れ
よく見える星が見下す
マフラーの隙間から刺した
風が眠気を覚ましてく
野良猫が横切る路地で
外灯と自販機だけがある
「ねえ、一人は怖いでしょ?」
差し出された手はもう無い
♪
どうなってもいいやとやがて
凶行に走る人がいた
でも それを否定できずに
同情した
赤信号を渡るバンが
火の着いたタバコを落とした
飲みかけたコーヒーがもう
不味くなった
自分だけが聡明ならば
長い夜に黎明があったか
分かり合えば少数派の血は
怖くもないか
愚かだと嗤い蔑んだ
浅ましい人間になった
今日と明日の境界線は
もうとうに過ぎてたみたいだ
倅んだ指が液晶に
意味の無い文字を呟く
広いと思っていた校舎
今見ればそうでもないか
早く帰りたいのに何故か
遠回りして何になる
「ねえ、明日が怖いよ」と
泣いた相手はもういない