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助手席の窓から一目覗いた
観覧車がきれいだった
今年最後の花火のようだった
「乗りたい」という君に頷く僕に
工事の看板の彼が
深く頭を下げていた
優しいだけが 優しさじゃないと
どこかで分かるのに
それでも優しさばかり追っている
少し寒くなってきたね
また長い冬がくるね
「きれいだったこの夜景も
朝が来れば違う顔だ
今の僕らと似ているように見えない?
観覧車は昇って あとは落ちてくだけだ」
とは言わずに抱き寄せてキスをした
カラオケで上辺だけを見せ合った
こういう場は苦手で誤魔化していた
知らない曲にタンバリンが鳴っていた
必要のないものにすら必要と
されたかった僕は
必要のない相槌を打っていた
♪
一人の部屋では 針を突き刺して
たまに傷口を開いてた
優しい悶絶 特別だったから
痛くないと分からなかった
この傷が見えないように
もっと近づいてきてよ
この傷が見えるのなら
そこだけを舐めてみてよ
「本当はもう気付いてるよ
あなたは傷も痛みも知らない
悲劇を気取って教えて欲しいのよ
このゴンドラから観覧車は見えないじゃない」
窓に映る真逆の君が話す
僕らの花火が散って
ふと振り返るともう
観覧車は真っ黒の鉄だった